開業した人の約7割は、開業に満足している
日本政策金融公庫 総合研究所が2024年8月に、日本公庫から融資を受けて開業した企業にアンケートを郵送し、1,990社が答えました。
開業の総合的な満足度は、「かなり満足」が31.0%、「やや満足」が43.9%で、合わせて74.9%でした。「どちらともいえない」は16.6%、「やや不満」は5.9%、「かなり不満」は2.6%です。
項目別に「満足」と答えた割合は、仕事のやりがいが84.1%、ワークライフバランスが53.2%、事業からの収入が31.1%でした。
苦労したのは、お金とお客さん
開業時に苦労したことは、三つまで選ぶ質問で、「資金繰り、資金調達」が59.2%、「顧客・販路の開拓」が48.1%、「財務・税務・法務に関する知識の不足」が36.7%でした。
今も苦労していることは、「顧客・販路の開拓」が47.7%、「資金繰り、資金調達」が37.0%の順でした。
ネット調査では、起業した人の約半数が「満足」
同じ研究所が2024年11月に、全国の18〜69歳にインターネットで聞いた調査があります。2020〜2024年に起業し、事業に週35時間以上充てている582人の総合的な満足度は、「かなり満足」が16.5%、「やや満足」が35.6%でした。
日本公庫の融資先に開業の満足度を聞いた調査とは、対象も聞き方も違います。数字をそのまま並べて比べることはできません。
事業を行ううえで問題だと感じていることは、「売り上げを安定的に確保しづらい」が43.9%、「業務に対する対価(代金や報酬)が低い」が29.2%でした。
会社をつくった経営者に聞いた後悔
会社設立の支援をする小谷野税理士法人が2026年8月に、過去5年以内に会社を設立した経営者300名にインターネットで聞きました。
設立後1年以内にもっとも後悔したことは、「後悔していることは特にない」が36.4%で最も多くなりました。
後悔ありと答えた人に限ると、「資本金の額や決算期(決算月)をもっと慎重に決めればよかった」が25.9%で最も多く、「創業融資をもっとも借りやすい時期に申し込めばよかった」は7.7%で最も少ない結果でした。
起業しなかった側と、数字を読むときの注意
起業を考えたが起業しなかった人に、その選択を後悔しているかを聞いた公開調査は、見つかっていません。
日本公庫の調査は、融資から時間がたっていない企業に聞いたもので、融資を受けずに起業した人は含まれません。開業時の組織形態は、個人企業が60.3%、法人企業が39.7%です。
どちらの満足度も、後悔を直接聞いたものではありません。小谷野税理士法人の調査は、会社設立の支援を売る側が実施したもので、25.9%と7.7%の分母は出典に書かれていません。