辞めたことの評価は「どちらともいえない」が最も多い
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2023年11月に、インターネットのモニター1,675人に聞きました。対象は、2017年以降に介護を理由に仕事を辞め、介護を主に、または半分程度担当した人です。
辞めたことの評価は、「どちらともいえない」が35.0%で最も多く、「ややよかった」が34.4%、「よかった」が19.5%でした。「あまりよくなかった」は6.7%、「よくなかった」は4.3%です。
聞いたのは後悔ではなく、辞めたことの評価です。厚生労働省の老人保健健康増進等事業の報告書で、無作為に選んだ人への調査ではありません。
辞めたあとの負担は、経済面で増したと答えた人が最も多い
同じ調査は、辞めてからの変化を精神面、肉体面、経済面ごとに聞いています。「負担が増した」は、経済面が37.4%、精神面が34.6%、肉体面が32.7%でした。
「非常に負担が増した」は、経済面が24.0%、精神面が20.5%、肉体面が14.9%です。報告書のとりまとめには、辞めた方の約6割が経済的な負担が増したと回答している、と書かれています。
報告書は、辞めたことを「よくなかった」と評価した人に、精神面・肉体面・経済面で「非常に負担が増した」人が多い傾向がある、とも書いています。
2014年の調査では、介護に専念した人の肯定が約7割
明治安田生活福祉研究所とダイヤ高齢社会研究財団が2014年8〜9月に、親の介護を経験した40歳以上で、介護を始めたとき正社員だった2,268人に聞きました。
「介護するために自分が選んだ働き方が良かったと思うか」を聞いた自己評価で、勤務先を辞めて介護に専念した男性(412人)は、「良かった」が28.4%、「まあ良かった」が40.3%、「あまり良くなかった」が6.3%、「良くなかった」が2.4%でした。
女性(155人)は、「良かった」が32.9%、「まあ良かった」が41.3%、「あまり良くなかった」が7.7%、「良くなかった」が1.9%です。報告書は、肯定派が男性68.7%、女性74.2%で、約7割と書いています。
辞めずに続けた人は、否定的な答えがさらに少ない
同じ調査で、介護中も同じ勤務先で同じ働き方を続けた人(男性515人、女性258人)にも、同じ質問をしています。
男性は「あまり良くなかった」が0.8%、「良くなかった」が0.8%、女性は2.7%と0.8%でした。「良かった」と「まあ良かった」は、男性が25.2%と48.2%、女性が32.2%と46.1%です。
この調査は、介護中の働き方が変わったかどうかで、4つの類型に分けて回答を集めています。短時間勤務などに働き方を変えて続けた人は、ここに挙げた数字に入っていません。
辞めずに続けた人に、後悔や評価を聞いた最近の調査は、見つかっていません。
この数字を読むときの注意
2023年の調査と2014年の調査は、時期も、聞いた人も違います。辞めた人と辞めなかった人に同じ質問を同じ時期に聞いているのは、2014年の調査の中だけです。
どちらも後悔を直接聞いた調査ではなく、辞めたことや働き方が「よかったか」の評価です。2014年の調査は古く、その後の制度の変化は反映されていません。